2014年3月31日月曜日

決意の春

春は
出会い、別れ、卒業、旅だち、新生活、転機…。
大きく変わる人も、そうでない人にとっても、
春は、心機一転の季節。

「夢をかなえるため」と勉強のため海外に発つ友人。
「自分のやりたいことと居場所を見つけた」と新転地で開業する知人。
「ステップアップのため」と異業種に転職する親友。

アラサー、アラフォーの女子の、
覚悟を決めたときの行動力・決断力のすごさ。
そしてその目は輝いている。

欲しいもの、目標を見つけたとき、
新しい自分に出会う旅をする。

たくさんの「選択」の先にある、「自分だけの道」。
期待に胸ふくらませ、決意の春、門出の時。

輝く女性たちに多くの幸がありますように。

明日から新年度。
私も、がんばろー(^^;)

2014年3月28日金曜日

残り少ない冬の楽しみ方

スノーシューで熊越の滝までご案内。

この日のお客様は、スノーシュー初体験。
そんな方でも気軽に参加できるのが、このコースです。
スノーシューハイクを楽しみつつ、ゆっくりと冬の自然に触れていただけるよう準備しました。

どんな感じかというと…


滝の下流に砂防ダムがあり、そこには水鳥たちが羽を休めています。



今、あそこにいるのは何という名前のカモでしょう?
手作り観察シートを使って、カモ観察をしました。

どうやって飛び立つのか、どんな潜り方をするかなど、
カモの行動を観察することで、そのカモがどのグループに属するのか、
また、何という名前のカモなのかを見つけるシートです。


途中には、川の渡渉もあり…


希少種クマゲラの食痕を見たり…。


ここでは、冬芽観察もしてみました。

じっと春を待つ樹木が、枝先につける冬芽。
冬芽から、その樹木が寒さをしのぐために身につけた戦略をみることができるのです。

葉がない樹木はどれも同じように見えるのですが、
冬芽は樹木それぞれみんなちがう表情をもつので、冬芽を見ることで何の樹木かが分かります。

ここでも手作り観察シートを使って、冬芽観察。
芽のつき方や形、葉痕をみて、選んで進むと樹木の名前にたどりつく、というシートです。

冬芽たちは春、エネルギーを爆発させるのを今か今かと待っていて、
強い生命力をぎゅっと凝縮していました。

そんな冬芽にパワーをもらったあとは…


おしりすべりでワー!キャー!叫ぶオマケつき。


楽しんでいただけたかな~♪


こんなスノーシューハイクツアーも、そろそろシーズン終わりに近づいています。
また来シーズン、雪の上でお会いできますように…。

2014年3月27日木曜日

今日のできごと。

東京で桜が開花した、というニュースと同時期の出来事。
知床羅臼では今日、また流氷帯が近づいてきました。



この流氷が運ぶアイスアルジー(植物プランクトン)が、莫大な動物プランクトンの発生をもたらし、魚たちはもちろんそれを餌とするシャチやクジラなど大型海獣類の命を支えます。
もちろん、海の幸をいただく私たちの命も。

つながっています、命と命。

2014年3月25日火曜日

「海の原石、磨いて宝石に!」の回

前回「どうやって採ってるの?」の回では、
ウニ漁がどうやって行われているのか、をご紹介しました。
http://shiretoko-rausu-lincle.blogspot.jp/2014/03/blog-post_19.html

今回は、浜に水揚げされたウニが、加工場に運ばれたところからです。

加工場、といっても漁師さんのお宅の加工室、といったような場所。
ウニを待っているのは、ウニ漁師さんのご家族・知人の方々です。

まずは、殻を割る作業。


トゲトゲのウニを割るだけでも大変そう。


ウニの身を色ごとに選別していきます。
身といっても実は生殖巣といって、ようはウニの卵巣と精巣なのですよね。
なので産卵時期を過ぎるとしぼんでしまうのです。
成熟前の状態を、私たちはいただいているんですね。

さて、この選別作業。これまた早いはやい!
黄色、赤系、黄土色などなど、ここで6段階にわけるのですが…


こうして比べてみると、
右側はオレンジがかっていて、左側は黄色みがかっているなぁと何となく分かりますが、
これをみなさん一瞬で見分けて選別するのです。
「慣れだよ~」
とおっしゃっていましたが、お見事な手際でした!


色ごとに分けたウニを塩水で洗います。

黒っぽい粒々見えますか?
これ、ウニが食べた昆布です。
最高級羅臼昆布を食べて成長する羅臼のウニ、そりゃ美味しいわけだー!


何度も洗い、細かい不要物まで丁寧にていねいに取り除きます。

この後、出荷される形態によって分けられます。

出荷されるウニの形態は3種類。
1つは殻つきのまま。
2つ目は、塩水パック。(塩水ウニ)
そして、折詰め。(折ウニ)



塩水パックが
賞味期限7日(1~4月)、5日(5・6月)と季節ごとに違うのは、
添加物一切無しなので、あたたかくなると品質に支障がでるからなのだそうです。
市場に出荷する前日に、パック詰めされます。

そしてそして、
一番大変で手間がかかるのが、折詰め。
みょうばんという、防腐&身崩れ防止になる薬品に漬けたウニを、
木箱の上に乗せていく作業です。


色分けされたウニを、さらに12~13段階に色分けをして、詰めます。
色がきれいで大きい粒ほど、ランクが上がりますが、
これをさらに上げるのが折詰めをする人の手。
同じ色でも、きれいに詰められているものほど、高値がつくのです。

「20年以上やっているけど、まだまだだよ~。
 上手い人のを見て、もっときれいに詰められるように日々勉強だもの~。」
とおっしゃっていたお母さん。
まさに職人です。


折詰での出荷数が多いときは、徹夜作業もあるんだとか。
採った翌々日、ようやく市場に出荷されます。

お父さんが採ってきて、子どもたちが手伝い、お母さんが詰める。
家族みんなでつくるウニなのです。

こうして沢山たくさん手間をかけて、海の宝石となるウニ。
キラキラと輝いて見えました。



ウニ漁師の浜田さん。
たくましい腕に、さすが海の男!を感じました。


☆オマケ☆
真剣に作業されている横で、ウニをもらってうふふ♪なワタシ。

2014年3月19日水曜日

「どうやって採ってるの?」の回

今、旬ですよ~!と、お伝えしました羅臼のウニ。
より美味しくいただくためには、現場を知ろう!オー!
ということで(^^;)
もう少し詳しくウニ漁をご紹介しようと思います。

まだまだ勉強中…な、ガイド菜生子なりの紹介なので、
もしかしたら、「おいおい!違うよ!」というところもあるかもしれません。
そのときはごめんなさい。
訂正と勉強し直しをするので、教えてください。
また、「わかっとらん!」といったご指摘もあるかもしれません。
そのときは「こうだよ」と教えていただけるととても嬉しいです。


前置きが長くなりましたが、
まずは、
「どうやって採ってるの?」の回から。


羅臼のウニ漁は1月中旬から6月までの期間、
主に「たも採り」という漁法で行われ、一部は潜水採りもされます。

朝6:00。
風や波、海の透明度などをみてその日の出航可否が決定されます。
また、このとき決めるのが、採る量。
そのときのウニの身入り具合などを見て
「今日は1カゴまで」「今日は2カゴまでにしよう」…と。


ちなみにコレが1カゴ。重そうですねー。
昔と違い、今は自主的に資源管理のため採捕量を決めているのだそうです。


7:30から開始される漁。
羅臼では現在、約65隻出漁しています。


漁師さんが下をのぞいているのがわかりますか?
箱メガネという道具で海の中をのぞきながら、棒を海の中に向けていますよね。
棒の先には網がついていて、これでウニを一つひとつとっているのです。


これが箱メガネと網。


そしてこの電動モーターで舵(かじ)とりをしながら、ウニを捕っているのです。

今でこそ機械化が進み、こうした電動モーターを使って手元で舵とりができるようになりましたが、
以前は「かい」という木のオールを使って、足で舵をとっていたそうです。
今でも数名は「かい」を使った舵とりをしているとのこと。

想像してみてください。
箱メガネを口でくわえて、手で網をもって、片足で舵とりをする…。
しかも、流氷ただよう極寒の海上で…。

すごいですよね!
採るのも技術、なのです。
そして、改めて美味しいウニをいただけることを本当にありがたく感じます。


漁は13:00まで。


お昼頃、漁を終えた舟が港に帰ってきます。
むかえるのは、浜のお母さん方やご家族の方。


「どうだい?とれたか~い」
「おぅ!」
なーんて会話が聞こえてきそう。

ニコニコ笑顔でむかえるお母さんのお顔が印象的でした。


さて、こうして水揚げされたウニ。
このあと、加工場へと運ばれますので、この続きは
「海の原石、磨かれて宝石に!」の回で。


2014年3月18日火曜日

絶対今、食べてほしい!

というくらい、まさに今が旬な「羅臼のエゾバフンウニ」。

私が初めてこの味を知ったのは、今から6年前。
濃厚で、甘みが強く、鼻に抜ける磯の香り…
「おいしぃぃぃ~!!」
あまりの美味しさに衝撃を受けたのを、今でも覚えています。

そんな、羅臼のエゾバフンウニ。
 


お昼、まだ流氷が残る羅臼の海で漁を行うウニ漁師さんたちが、港に一斉に帰ってきます。



カゴいっぱいのまるまる大きく育ったエゾバフンウニ、
海の男が採ってきて、家族・知人総出で塩水ウニや折詰に加工されます。


割ると出てくる黒っぽい粒は、ウニが食べた羅臼昆布。羅臼のウニが美味しい証拠です。


何度もなんども洗いを繰り返し、赤や黄色、黄土色など細かく色別に分けられ、塩水パック詰め、そして繊細な女性の手によって一つひとつ丁寧に折詰されます。


美味しいウニが、こうした手間のこんだ加工を経てさらに美味しい羅臼のウニになるのでした。

旬な今、ご賞味くださいませ。